ベトナムと日本の関係…ベトナムの通貨「ドン」を解説

ベトナムと日本の関係は良好でベトナムは親日国とも言えるお国柄です。

日本からベトナムへの観光客もコロナ禍以降で回復傾向にあり、ベトナムから日本への観光客も増え続けています。

ただし、ベトナムから日本へは職業研修生として若い人を多く募っている傾向があり、雇用問題やブローカーへの支払い、就業環境などが問題視されるようになりました。

もっとも、過渡的な問題であり、これから日本とベトナムの関係はさらに熟成されていくことが期待されています。

双方の関係が深化するにつれ、ベトナムの通貨にも関心が集まっています。

ベトナムの通貨は「ドン」であり、日本円とベトナムドンの通貨レートの状況はどうなっているのか、ここでは様々な視点から説明します。

●「ドン」の成り立ち

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ベトナム通貨の正式名称は「ベトナムドン」で、通貨記号は「VND」です。

ドンの由来は、「銅」から来ているというのが通説となっています。

「銅」はベトナム語で「ドン」と表現されてきたことから、「銅」が語源となって現在に至っているということです。

また、紙幣が流通する前は銅貨を通貨として採用していたため、いずれにしても「銅」が「ドン」となったことが有力視されています。

日本円とベトナムドンのレートは以下の通りです。(2025年1月20日現在)

1ベトナムドン = 0.0062円

1円 = 162.53ベトナムドン

1万円 = 1,611,936ベトナムドン

長期チャートでは、2020年から現在までの5年間でベトナム側からみて日本円とベトナムドンの関係は円安傾向にあります。

※過去2年は162円前後で安定傾向にあります。

●ドン紙幣の種類

ベトナムで発行されている紙幣は、1,000ドン、2,000ドン、5,000ドン、10,000ドン、20,000ドン、50,000ドン、100,000ドン、200,000ドン、500,000ドンの9種類となっています。

紙幣の質に違いがあり、10,000ドン以上の紙幣はポリマーという合成樹脂素材で製造されていて、丈夫な紙幣となっています。

一方で、1,000ドン、2,000ドン、5,000ドンの紙幣は、文字通りの紙で出来ており、素材としては良いものでは泣く、ボロボロな状態で取引されることを見ることができます。

また、ドンの由来ともなったドン硬貨(銅貨)ですが、2003年を契機に製造されなくなりました。

現在では流通もストップされており、市場で見ることはありません。

ドン紙幣で特徴的なのは、どの紙幣もホーチミン氏が描かれています。

ホーチミンは現在の社会主義国であるベトナム建国の父であり、南部にはその名前を冠した大都市もあります。

ベトナムは第二次世界大戦後もフランスからの独立戦争や米国が介入したベトナム戦争など、長い苦難を経て写会主義国であるベトナムを建国しました。

その立役者となったのがホーチミン氏だったのです。

国民からも慕われており、通貨紙幣のすべてに描かれていることからも人気の高さが伺われます。

●ドン紙幣の流通

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貨幣は使われていませんが、それはキャッシュレス決済が進んでいることも大きく関係しています。

もちろん、紙幣も使われていますが、物価では価格の桁数が多いため、価格設定もアバウトになっており、少額のお釣りがでないようにしています。

それはすでに貨幣がなく、最小単位が1,000ドン紙幣であることからもわかります。

それでは端数をどうしているかですが、少額にならないように調節している、つまりその分だけ割引きするか割増しする、さらには少額のお菓子等で代替えする化などの処置をとることが多いようです。

もっとも、ベトナムではキャッシュレス決済が急速に普及しています。

少し古いデータになりますが、2021年時点でキャッシュレス決済の利用者は、全人口の85%に達していたので、その割合は現在においてさらに高くなっていると予想できます。

通常の買い物だけではなく、保険の支払い・購入、公共料金、電話代、インターネット代、電気、水道料金、学費などあらゆる支払いが可能となっており、包括的なサービスを提供しています。

●円安ドン高

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ベトナムは長らく発展途上国として分類されていましたが、ASEANの中でも存在感を発揮しています。

中国とも対峙しながら上手く立ち回っており、地域大国として今後の発展が期待されています。

物価も上昇しており、円安ドン高傾向にありましたが、ここ数年は安定しています。

そのため、円とドンの関係は長期的に安定しており、FX取引を主に考えるとドラマチックな状況は期待できません。

一昔ほど、ベトナムは日本にとって安い国ではなくなっていますが、それでも日本と比べて物価も低めでありベトナムに旅行するのには治安も良く人気の観光地となっています。

基本的に両替は公的な施設を利用するよりは現地の両替商で行ったほうがお得です。

現地旅行の際はこの点も参考にしてください。


1)資産防衛NOTE ~人道支援への道~ さんから許可をもらって投稿しています。

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